さて、11/22のDTL後期第2節が翌日迫ってきた。
新メンバーのお披露目を第1節で済ませた中、各チームがどのような戦略を立ててくるのか……。
今回もリトグラフ運営メンバーによる注目ポイント、環境予想を行っていく。
DTL第2節のレギュレーションについて
レギュレーション:
「アルカディアス」「ボルメテウス」「ドギラゴン」「モルト」「ジョニー」「モモキング」「キリコ」「ボルシャック」「バロム」
以上のいずれか1つを選びその名前を含むカードをデッキに8枚以上採用しなければならない
同じチームの中で同一の名前を選択してはならない
構築ルールはオリジナル
ただし「モルト」を選択したプレイヤーのみドラグハートを8枚まで超次元ゾーンに入れることができる
開催翌日に発売される「ドリーム英雄譚デッキ モモキングの書」、及び「ナイトメア黙示録デッキ バロムの章」にまつわるルールとなっている。
普段とは毛色が違うルールとなっている。花嫁シリーズがリリースされた前期第4節が近いだろうか。
目を引くのが最後の2行。オリジナルレギュレーションだが、「モルト」のみ外部ゾーンの使用が認められる。
そして、「モルト」には外部ゾーンを用いた、全カードの中でも屈指のカードパワーを持つ《夢双龍覇 モルトDREAM》が存在するし、相方となる≪「助けて!モルト!!」≫を4枚採用するだけで構築制限を突破できる。
それを鑑みた上で率直に感想を述べると……バカか!?そうしないと「モルト」が弱すぎるのはそうなのだけど……!
当然「モルト」が環境の中心となるのは自明の理だが、それだけで終わらないのが今回のメタゲームの妙。3人のうち「モルト」は1人しか持ち込めないし、各チームが1人「モルト」を持ち込んでくるであろうことは大方予想がつく。
「モルト」で確実に1勝を取りに行きつつ、「モルト」に勝てるデッキタイプを見つけ出す。まずはここが今節の焦点となる部分だろう。
また、下記に示した注目アーキタイプはおおよそ攻めっ気が強く、それぞれ搦め手を持っているため受けデッキ側は対処しづらい。
構築制限から受けデッキを作ること自体がなかなか難しい中、各チームがそういったデッキ構築をできるかどうかも1つ鍵となる部分だ。
注目アーキタイプ
「モルト」
DMGP2024-2nd、及びマイケルとにわかのアドバンスCS優勝を経て、アドバンス環境における各プレイヤーの【モルト】に対する構築認識が固まりつつある。
本レギュレーションではオリジナルデッキを相手取りながらこのデッキをフルパワーで使うことができる。私が出る側の立場なら、本当に使っていいんですか?と聞き返してしまうかもしれない。
とはいえ、「モルト」以外の強いデッキもある程度絞られてくる以上、求められるのは幅広くに勝つデッキ構築ではなく、今レギュレーションのメタゲームに焦点を合わせた構築。
とりわけコンボデッキへのガードを下げ、ビートデッキに対する受け札を厚めに採る。受けるデッキは《夢双龍覇 モルトDREAM》がなんとかしてくれる……こういった認識で構築されるのではないだろうか。
また、ドラグハートしか外部ゾーンを使えない都合上《禁断 ~封印されしX~》が採用できない。
よって《インフェル星樹》の採用も見送られるため、そのあたりはアドバンスから若干の構築変化が求められる。
サンプルリスト
サンプルリストは流行の光火自然ではなく、水火自然で構築。
後述の《未来王龍 モモキングJO》を受けつつ、手出しでも《夢双龍覇 モルトDREAM》の着地に貢献できる《ガイアッシュの海地図》を採用。《蒼神龍トライクラブ・トライショット》と合わせて強力な受けトリガーを大量採用。
また、”ガイアッシュ覇星”ギミック採用や《無敵剣 プロト・ギガハート》により「バロム」の《悪夢神バロム・ナイトメア》に対しても一定の耐性を持ちながらゲームを進めることができる。
間違いなく今節の中心となるテーマかつ、構築の自由度も高い。各チームがどのように組み上げてくるか注目だ。
「ジョニー」
「モルト」ばかりが注目を集めるが、オリジナルのプールのみでもフルパワー相当の出力を発揮するデッキもいくつか存在する。
例えば、オリジナルの【無色ジョーカーズ】のようにデッキを組める「ジョニー」なんかがそうだ。
サンプルリスト
いくら《メンデルスゾーン》《ボルシャック・栄光・ルピア》が相手とはいえ、《ヤッタレマン》からの《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》、そこからの高速決着を狙えるこのアーキタイプは強力。
《夢の弾丸 ジョリー・ザ・ジョニー》による呪文封じ、《王道の弾丸 ジョリー・ザ・ジョニー》によるGストライクおよび《悪夢神バロム・ナイトメア》ケア……などなど、「ジョニー」に縛られる制約も今レギュレーションではそこまで影響がないように見える。
《ベイビーポンの助》によって相手の≪「助けて!モルト!!」≫をケアできるのも魅力。「モルト」に負けず劣らず強力なデッキタイプになるだろう。
「ボルシャック」
「ジョニー」と同様、今回の構築制限の中でもフルパワーの出力を発揮できるデッキとして「ボルシャック」が挙げられる。
ドリームの名を冠した超強力カードは《夢双龍覇 モルトDREAM》だけではない。《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》も相当ドリームなスペックを持っている。
事故率こそ「モルト」より高いものの《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》を絡めた大味な動きは相手を問わず強力。
DTL選手にとっては「相手に使われたら1番嫌」なデッキ筆頭ではないだろうか。
サンプルリスト
同じくドラゴンデッキとなる「モルト」と比較して優れている点は、やはり≪決闘者・チャージャー≫によって100点ムーブの再現性が高いこと。
その分《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》、及び《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》にやや依存気味な構築になることがネックか。
自分の動きさえ通してしまえば環境を問わず制圧できるデッキパワーを持つため、上述の2デッキと並んで評価するチームがいてもおかしくはない。
「モモキング」
新規テーマで注目されるのが「モモキングの書」発売に合わせて強化を受けた「モモキング」。《モモからうまれたモモキング》という汎用性の高い、かつドラゴンを持つ受けカードを獲得。
ドラゴン基盤を採用しながら《未来王龍 モモキングJO》を中心に据えた簡易ロック+ワンショットギミックを扱える。
【JO退化】で名を馳せた《未来王龍 モモキングJO》だが、《禁断英雄 モモキングダムX》を失ったとしても《メンデルスゾーン》から繋がって最速3ターン目に出すことができる。
新規カード《武闘英雄 カツ・モモキング》によってワンショットの精度も高まっているため、往年の【JO退化】で見られた動きがDTLの舞台で再現される可能性も期待できる。
ドラゴン基盤と豊富なフィニッシャーによって初動、及び初速に関しては上記3デッキにも引けを取らないだろう。
サンプルリスト
構築については運営チーム内でも意見が分かれたところだが、非ドラゴン枠を《キャンベロ <レッゾ.Star>》4枚採用、多色の進化カードを新規カード《鬼退治の心絵》に回すことで単色枠と初動を確保。
《キャンベロ <レッゾ.Star>》+《アルカディアス・モモキング》のパッケージは依然強力だが、防御カードの少なさに不安が残るところだろうか。
登場以来騒がれていたものの、あまり大会等で活躍する機会がなかった《MAX-Gジョラゴン》+《夢双英雄 モモキングDM》のコンボが見られるかどうかが個人的に楽しみ。
「バロム」
もう一方の新規発売となる「バロムの章」。《悪夢神バロム・ナイトメア》という最強クラスのカウンターカードがある中、注目が集まっていたが……
なんと新規「バロム」が0枚。そのため、終盤にしか役割を持てない旧来の「バロム」を4~5枠採用しなければならない…というとんでもない構築制限がかかってしまった。
ただ、《従獄の死神シンベロス/「地獄まで我に従え」》や《死神信徒バーロウ・ビリーバー》のような扱いやすい新規デーモン・コマンドが収録されているため、《悪夢神バロム・ナイトメア》の使いやすさ自体は格段に向上している。
殴り合いが予想される今環境において、受けデッキの筆頭として注目される。
とはいえ、上述のように「モルト」や「ジョニー」など他デッキは《悪夢神バロム・ナイトメア》を対策する術を持っていることが予想されるし、切り返しの動きに不安が残ることは否めない。どうしても事前評価では少し順位を落とす格好となる。
サンプルリスト
サンプルリストでは新規カードである《死神信徒バーロウ・ビリーバー》と《ヨビニオン・マルル》の相性のよさ、《魔令嬢バロメアレディ》というマナが伸びた後の明確なゴールが生まれていることに着目。オリジナルの【水闇自然マルル】に近いデッキ基盤は組み上げられそうだ。
《深淵の逆転撃》を採用することで《未来王龍 モモキングJO》や《ハイパー・ザ・ジョニー》に対するケアは可能となっている。
重いカードに枠を潰される構築制限が課される中、多種多様な攻め方が予想されるこの環境を《悪夢神バロム・ナイトメア》が受け切ることができるのか。
「ボルメテウス」や「アルカディアス」でそういったテーマデッキを組むことも考えられるし、受けデッキを持ち込む際は各チームの構築力が試されることとなる。
注目選手
環境予想もそこそこに、本サイトで取り上げたいのはやはり選手の部分。
第1節で出場がなかった選手にやはり注目が集まるところだろう。
個人的に出場及び活躍が期待されるのは魔王軍の◆ドラ焼き、セキボン、カイザ、そしてSAGAのにわか。
この4名は後期DMPランキングでのスタートダッシュに成功しており、特にセキボンに至っては北海道エリア予選で準優勝。ランキングを走りつつランキング以外での全国出場を決めるところだった。
CSだけではなくDTLの舞台でも、その好調ぶりを見せられるか。
また、ここまで7期連続出場となる、FTGのるるるについても気になるところ。「芸能人格付けチェック」のGACKTのような扱われ方になってきた気がする……。
p.s.
本記事作成にあたって、デッキリスト作成に協力してくれた柑橘、のすけ両名に感謝を……。
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