はしがき
コロナ禍以降初の再開となったエリア予選。
パンデミック以前、毎年の恒例行事が帰ってきたことから、各地で盛り上がりを見せている。
私の知り合いが多く住まう、関西エリアの予選も迫ってきている。
身内話になってしまうが、どうしても彼のことを思い出さずにはいられなかった。
記憶の限りでは、権利戦初週から最終週まで出続け、2ヶ月に渡る大苦戦の末、ようやく権利を勝ち取った。
YouTubeチャンネルの業務も重なる中、全デュエマプレイヤーの中でも指折りのレベルで、タフな2ヶ月を過ごした人物と言えるだろう。
そんな様子を見ていたものだから…エリア予選が再開したこのタイミングで話を聞く人物としては最適だろうと感じ、今回のインタビューへ至る。
YouTubeチャンネル「けみくろ放送局」主催にして、2016年度関西エリア予選を突破し全国大会ベスト8となった、けみー。
「けみくろ放送局」開設以降は初となるインタビューによって、彼の素顔やエリア予選に向けての思い、さらに「けみくろ放送局」の展望に深掘りしていく。
何も食べてない
―――えーと……まず今日、さっきまでご飯食べてないと聞いたけど。(当時21:30ごろ)
けみー:いや、最近本当にそんな生活なんだよ。本当に1日1食とかばっかり。
―――愛犬の世話はちゃんとやってそうなあたり、犬よりも貧しい生活をしている。
けみー:dottoさんにも言われてるんだよね、ワンちゃんにはご飯ちゃんとあげてるのに……って。
―――まあそれだけYouTubeの作業が大変ということで……現在は具体的にどういうことをしているんですか?
けみー:YouTubeの編集作業とか、先方とのやり取りとか……あとはメンバーシップ大会で使っているランキングシステムみたいなのがあって。
―――すごい、写真を見せてもらったけどレイアウトはほぼDMPランキングだ。
けみー:関数知ってりゃ誰でも作れはするんだけどね。本家と違って大会参加人数が1人変わるごとにポイント倍率が変わっていくっていうシステムを採用してる。まあほぼ俺の趣味みたいなもんなんだけど、これがなんか運営の人には結構好評なんだよね。
―――基本的には最近は裏方業務が中心なイメージがある。動画に出ているのもdottoさんとVのもれが中心になってるし。
けみー:まあ性格的にも裏方のほうが向いてるしね、のもれとかに比べたら自己開示は下手なほうだから。その結果、演者がけみでもくろでもない人がメインになってしまったという…。
決勝戦で4回の敗北
―――さて、早速今回の主題であるエリア予選について聞きたいのだけど……本当に大苦戦だった。
けみー:いや、色々あったんだよな、マジで…。ホントに今年は勝ち切ることが難しくて。
―――当時の環境がかなりじゃんけん環境とは聞いていた気がする。
けみー:あとは昔の店舗予選に比べて情報の出回る速度がやたら速くて、構築差をつけることがすごい難しかったんだよね。そんな中で意識したのが自分の練度よりも対面の練度が低くてミスを誘えるデッキであったり、環境を読んで通りがいいなと思ったデッキを持ち込むっていうこと。
けみー:環境に即したデッキや環境にすらいなかったデッキ、その日の大会で初めて回すみたいなデッキも全然使ってたし……まあこんな中でもできることはなんでもしたね。
けみー:……で、決勝で4回負けてるんだよね。決勝に行ったときに使ったデッキタイプ全部違うのよ。
―――そんなこんなで優勝するまで2ヶ月弱……。
けみー:なんで合間で出てる超CSのほうが成績がいいんだよって。店舗予選は抜けれないのに超CSは予選抜けれるって……。
―――権利を取れた今だからこそ笑い話にできるけど、これで権利取れてなかったらグロすぎる。
執念
―――2ヶ月弱負け続きの日々、心も折れることもあったと思いますが……。
けみー:いや、ワンチャン心が折れてたというのはあると思う。大阪圏だけならいいんだけど、遠出のほうが中心だし本当に大変だった。
けみー:1番ヤバかったのが朝一で滋賀に行って、そこで1没。そこからワンチャンハシゴができるということで、滋賀から和歌山まで急いで車を飛ばして…そこでも1没。
―――エグすぎる。普通泣きます。
けみー:普通は2時間半かかるところを2時間で飛ばしてこれだからね……めちゃくちゃ心に来たのはそうだよね。
けみー:まあここまで来てギリギリ心を繋ぎとめてたものってのはね……やっぱり執念だよね。
けみー:エリア予選に初めて出たのがE3のとき。そこからエリア戦がある年は権利戦抜けをしなかったことがなかった。言ってしまえばちっぽけなプライドだけど、それを守るための執念だけで戦ってたね。
―――その執念だけで2ヶ月弱のモチベーションを燃やしていたの、相当すごい。
けみー:あとはエリア予選がみやこめっせでできるってのも大きいモチベーションだった。あそこは2016年に全国を決めた会場でもあるからね。
―――関西では恒例の会場、聖地と言っても過言じゃない。とはいえ開催規模が縮小されるから今年は使わないと思ったけれど……。
けみー:ね、前まで600人収容してたとこを73人規模で使うなよとは思うけど。
―――え、73人しかいない。
けみー:そう、実は関西って東北よりも規模が小さい。だからこそ激戦だったという話はあるよね。
脳が刺激を受けづらくなっている
けみー:いやでもそうだな……執念というのは半分本当で半分冗談みたいなもんなんだけど。やっぱり友人知人がいたのは大きかったね。
―――Sabakiさんがよく一緒に店舗予選を回っていたという話は聞いた。
けみー:Sabakiさんもその1人。結構辛めの負け方したときに肩ポンポンってしてくれてもう行こうって連れ出してくれたり…。
けみー:あとこれまで交流を持ったことのない現役勢…特に◆ちゅーやくん。彼も俺と同じで4回決勝負けしていて、彼が並走してくれたことはすごく大きな刺激になったね。
けみー:今の生活スタイル、普段家からあんまり出ないから。撮影に来る人以外とあんまり話す機会ってなくてね……話す人が固定化されちゃうと、脳が刺激を受けづらくなる。そういう意味では◆ちゅーやくんみたいな現役世代と話せたのはすごく大きな刺激になったし、モチベーションのひとつになったね。
ここまで環境が動くとは
―――さて、熾烈な店舗予選も終わり、各地でエリア予選が始まりましたが…ざっくりどういう印象を持っているか。
けみー:正直ここまで環境が動くと思ってなかった。権利戦最初から最後まで出ている以上2ブロックの環境には一家言あるんだけど、まだ開拓されてないデッキが全然あるんだって感動がある。
―――パッと思いつくのは東北エリア準優勝、いけ選手の【火水ビートダウン】。
けみー:直接は関係ない話なんだけど、最初の店舗予選の決勝で負けた相手もコンセプトがちょっと近しいデッキだったんだよね。《ボルシャック・疾・ピピッチ》と《獲銀月 ペトローバ》を中心に据えたビートだったんだけど、結構アプローチは似ている。相手より速く殴りつつ、【マジック】との差別点としてメタカードをちょっと多めに積める、みたいな。
―――すでに似たようなコンセプトのデッキに当たっていた、ということ。
けみー:コンセプトで言うと違うけど、着眼点は似てるなと思って。毛色が似たデッキを知ってたからそれをより洗練させたらこうなるんだ……くらいに思ってたけど、それ以外の人も新規デッキを開拓していて。
けみー:例えば北のあーさんの《死神覇王 ブラックXENARCH》入り【ジャイアント】やカナタさんの【トリーヴァゼニス】もそうだし……『ゴールド・オブ・ハイパーエンジェル』が出てからじゃないと組めないデッキってあんまり多くないんよね。
―――確かに。いけさんのデッキは《爆藍月 スケルハンター》が必要だからそれに当てはまるわけではないけど、新規で環境入りしたデッキは権利戦段階で組めたデッキが大半。
けみー:正直その辺のデッキが出てくるまでは【ターボマジック】1強だと思ってたけど、その前提が崩れた気がする。純正の【ジャイアント】なら【ターボマジック】で9:1くらいの相性差ついてたはずなんだけど、《死神覇王 ブラックXENARCH》が入るとその分取りづらいはず。
けみー:【トリーヴァゼニス】に関しても実は東北の権利戦で抜けた人が記事上げてて。初期リストの段階では穴が多そうだし使うのはちょっとな…って印象だったんだけど、そこを洗練したら環境に食い込むレベルのデッキになるんやな…という。
―――2ブロック環境で行われたDTL前期第5節でフェアリー選手が【闇自然アビス】みたいな環境外のデッキを持ってくることもあったし、まだまだ開拓の余地が残されている気がする。
けみー:とはいえ関西エリアって新弾前最後だから開拓が進み切ってることもあるけどね。
―――関西エリア、毎年新弾前最後みたいな微妙なスケジュールに行なわれることが多い…。
けみー:うちの場合、2ブロックとかいうマイナーレギュレーションで新弾発売日に大会が開かれるから大会の使用デッキを動画にすることもできないんだよな。仕事と調整を完全に別でやらないといけない。
―――なんか損した気分になる……。そんな中だけど、エリア予選に向けての意気込みを伺いたい。
けみー:まあやれることを最大限やった上で、当日ラックが俺のところに落ちてくれるといいな。
―――ブルーロックみたいなこと言ってる。
けみー:カードゲームに限らずやけど、運が絡むコンテンツはその日運が降ってきた人間が1番輝けるからなぁ……。
―――そのマインドが1番いいように思える。人事を尽くして天命を待つというか……。
けみー:力が入れば入るほどなんで報われないんだみたいな気持ちになっちゃうかもしれない。その瞬間にはすごく情熱を燃やしているけど、後々トータルで見たら自分の人生にとってマイナスに転じてしまうことは多いと思う。だからこそ、自分の器の範囲での努力を最大限した上で当日を迎えたいね。
クリスマスはデュエマ
―――さて、せっかくだし2016年度のエリア予選で勝ち上がったときのお話も聞きたいのだけど……。個人的に、あのときのエリア予選が12/24……クリスマスイブで、彼女とのクリスマスを蹴ってエリア予選突破したっていうのがめちゃくちゃ印象に残ってて。
けみー:あったね……。
―――で、今日に向けて色々調べてたら全国大会のインタビューページを発見して。そこでも感謝したい人に……。
―――彼女が。
けみー:うわ~~~~!!恥っず!!
けみー:え~…よくぞ載せてくれたな、これ。若気の至りだ。
―――カミカミ王子がインタビューしてた記事。懐かしいし我々も当時は若かった……。
けみー:エリア予選の思い出で言うと、これはどこでも言ってない情報かもしれないんだけど……エリア予選、最初は別のデッキ使う予定だったんだよね。ちょうど前日調整会してたときに◆斎藤くんからもらったリストが手に馴染んで。
―――めちゃくちゃ懐かしい名前だ。Heaven’s Dice(※)とか今のプレイヤーに伝わるんだろうか。
※2015年ごろから◆斎藤を中心に結成されたアマチュア調整チーム。デュエマにおけるチーム文化の先駆け的存在かつ、所属プレイヤーの実力の高さから界隈内で一目置かれていた。
けみー:実はライブに一緒に行ってるから◆斎藤くんとは毎年会ってはいる。とはいえ彼もカードゲームおじさんになってしまった……。
―――いや本当に…。同世代だとPRIDE1st選手とかも懐かしいなあ。なんか最近ポケポケの大会に招待選手として出ててびっくりした。
競技は理論、演者は感覚
―――ちょっと話が変わるけど、なんとなくプレイヤーとしてのけみーさんの知名度がそこまで高くない気がする。
けみー:確かに。YouTube始めてからほとんどプレイヤーやってないしな。
―――全国行ったことあるっていうことすら知らない人も多いかもしれないね。
けみー:まあ個人的にもそれを強く売り出しているわけじゃないしね。どちらかというと演者としての姿勢のほうにこだわりがあるかも。
けみー:俺の中で競技は”理論”で、演者は”感覚”でやってる感じなんだよね。もちろん演者として裏打ちされた理論はあるんだけど、どのタイミングでどういう発言をしたら、画面の向こうにいる自分は笑うか。
―――画面の向こうにいる自分……そこの評価軸が第三者ではなく自分にあるの、面白い。
けみー:競技としてデュエマに取り組む上でも、演者として自分の演じ方を考える上でも同じなんだけど、自分で改めて考えたときに自分がダメ出しできるポイントがあるのが許せないのよ。自分で気付けるんだったらたぶん他の人が見ても同じこと突っ込まれるよねっていうので。
自分相手にレスバをする
けみー:自分で粗探しをして、そこに対する自分の解答を全部のパターンで持てたときに初めて納得できる。演者の立ち振る舞いであったりとか完成度であったりとか。
―――全部のパターン、というのもすごい話。
けみー:時間があるときに自分の中で何かを深掘りするのが結構好きで…言ってしまえば自分相手にレスバをするんだよね。レスバを積んだ上で固まった意見や理論とかが最終的にしっかりとした自分の意見になるみたいな。
けみー:例えば新しいカードの情報が判明したときに自問自答をひたすらしていくみたいな。
―――強い派のけみーと弱い派のけみーがいるわけだ。
けみー:そうそう。なんとかしてそのカードを弱いっていう結論に持っていきたい自分と、なんとかして強いっていう方向に持っていきたい自分を戦わせてる。
けみー:そうやって固まった理論って例えばそのカードのことでしか使えないわけじゃなくて、根本の考え方とか粗探しの仕方とか、粗探しをされた自分に対する論破の仕方とか……他にも新しい考え方の発見だったりとか、他の人から同じ内容を指摘されたときにすらっと答えが出てくるみたいな。
―――理論を常に自分の中で積み上げていく。思考の幹が太くなるというような……。
けみー:社会人になったときからちょいちょいこういうのやってたんだよね。今では引きこもりならではのできることみたいな感じだけど。
1人でいるとき滅多に笑わない
―――でも、カードゲームで培ったことがジャンル問わず生きてくるということは多い。動画編集などでも感じることはないのか。
けみー:いや~……動画編集はカードゲームで培ったスキルよりも音楽で培った感性のほうが生きてると思う。
―――そうだ、けみーさんにはそっちもあった。
(※絶対音感持ち、高校時代は吹奏楽に打ち込むほど音楽に精通。担当楽器はトロンボーン)
けみー:編集は特にそうなのかもしれないけど、やっぱり理論じゃ面白い動画って作れないのよね。最終的に裏打ちしていったら理論に辿り着くのかもしれないけど……。
けみー:動画編集で面白い編集って何?って聞かれたら、パッと見たときにゲラゲラ笑えるものだと思うんよね。それって結局その人の感性によって違うんだけど、じゃあそれをどこで培ったんだろうと振り返ったとき…やっぱ音楽とかそういう芸術分野のものに結構深く触れてたから、それが生きているんだと思う。
けみー:それで言うと、俺って人と喋るときは簡単に笑ったりするんだけど……1人の時とか家族といるときってマジで全然笑わんのよ。
―――初耳だ。
けみー:結構笑いの沸点に厳しいのよ。それこそテレビとかYouTube見てても滅多なことがないと笑わない。だからこそ、1人の時に見て笑えるものって世間的に見たら相当面白いものなんじゃないかという仮説の下、編集をしていて。
けみー:初見で見た俺が笑えるかどうか、このタイミングでこの字幕出したらおもろいな、みたいな自分の中の面白いっていう感性はかなり大切にしてるね。
―――笑いに厳しい自分が笑うのならそりゃ他人も笑うし、それが優れた動画だという自負があるということ。
けみー:最初はそういう考えも全然なくてただ俺が面白いと思ったものを形にする…という編集の仕方をしていたのだけど、どうやらそれが世間的にはウケているっぽいから、じゃあ俺が思ってることって意外と間違ってないんだな、というのが動画を出すたびに裏打ちされていくんだよね。
ブルースカイが生き甲斐
けみー:今みたいなことじゃないけど、今は日常的な呟きをするとき、ブルースカイをめちゃくちゃ動かしてる。
―――Xじゃないんだ。
けみー:むしろブルースカイが生き甲斐になってるくらいに動かしてるよ。気兼ねなくなんでも投稿できるのが初期のTwitter感があってめっちゃ好きなんよね。やっぱりXのアカウント動かしたら何を投稿しても100くらいいいね来ちゃうからね…気軽に投稿なんてできないよ。
―――じゃあこれって言わないほうがいい情報だったり?
けみー:いや、実は動画の概要欄にブルースカイのアカウントを載せてるんだよね。すでに見てる人は相当なけみーのオタクということで。
―――じゃあ宣伝しておくけど、これでブルースカイにも逃げ道がなくなったらどうしよう…。
※けみーさんのブルースカイアカウントはこちら
10万人は活動の延長戦上にある
―――最後に、デュエマを通じて挑戦したいことやけみくろ放送局で目指したいものを聞いてみたい。
けみー:まあ目先の目標はYouTube10万人達成かな。
―――今は92000くらい…。もうちょっとで銀の盾だ。
けみー:ここまで来たからにはちゃんと行っときたいよね。なんかもう今は血眼になって目指すというよりは活動の延長線上にあるものって感じ。適切な努力を続けていれば、いずれは到達する場所ではある。
―――なんやかんやで遠いところまで来てしまったな……。
けみー:それプラスで、今は横の展開を増やしていきたいと思ってる。ここで言う縦の展開っていうのは、けみくろの動画コンテンツの拡充。それに対して横の展開っていうのが、新規サプライの制作であったり新しいイベントの企画とか。
―――最近ドラゴンスターさんと協力して色々やっている。
けみー:プレマとスリーブは出してるけど、他のインフルエンサーが手つけてないようなサプライに手を伸ばしてみたくって。例えばストレージとか。
―――ストレージ、いい!個人的な要望だとプレイマットを入れる袋とか出してほしい。
けみー:そうそう、まさにそういうの。今やってるので言うとプロテクター……デュエパーティのリーダーを入れたりできるローダーみたいなやつ。あれをドラスタさんが主導で制作してくれて、最近はイベントのたびに配ったりしてる。
けみー:それも結構こだわってて、外部ゾーン系のカードで使えるようにロゴの位置とかを全部自分で調整して、テキスト被らないようにワンポイントでロゴを入れてるんだよね。
―――めっちゃいい。GPプロモ以外はプロモマークが被らないのがオシャレだ。
けみー:こういう外部ゾーンで使えるサプライって他のとこあんま出してないからすごいいいと思ってて。俺もいっぱい欲しいんだけどなんやかんやで手元に1個しかもらえてなくて…《禁断 ~封印されしX~》入れてる。
―――まあ1個だけだとそうなっちゃう。
水瀬いのりさん
けみー:こういうサプライ展開、けみくろのデザインを大々的に押さなくてもいいと思ってるんだよね。プロテクターもそうなんだけど、なんかワンポイントでいいんだよね。
けみー:これは水瀬いのりさんに完全に影響されているんだけど……。
―――オタクだ。
けみー:ライブグッズって、どでかくていかついプリントがTシャツにしてある…みたいなのが普通じゃん。水瀬いのりさんって例えばライブTシャツが全然普段着で着れたりするのよ。
―――オタクに配慮ができる推しだ。
けみー:それに影響を受けて、けみくろのプレマとかスリーブもあんまりロゴのデザインだとか、けみくろのモノです!みたいな押し出し方をしていないんだよね。
けみー:例えばストレージとプレイマット、プラスαが入るぐらいのトートバッグを仮に作ったとして、それも普段使いできるようにもしたい。けみくろのロゴがワンポイントで入っていて、わかる人にはわかるけど、知らない人が見てもなんも違和感を感じないみたいな。
―――推しに影響を受けるインフルエンサー、構図としてすごく面白いな。
けみー:実例で言うと、次のけみくろCSで出すやつも右下に目立たないようにロゴ入れてるだけなんだよ。
―――イラストはめちゃくちゃかっこいいしけみくろ感があるけど、右下のけみくろのロゴは確かに凝視しないと見えないくらいに目立たない。
けみー:そういう戦略が功を奏したのか、ポケカ勢がイラストがいいからという理由でプレマを買ってくれたらしいんだよね。
―――すごい。けみくろのことも知らない人?
けみー:話を聞いた感じそのはず。どこのかわからないけどデザインがいいから買ってくれたらしく……これは俺にとって結構プラスの出来事。それこそさっき話したような感性がこの方向で合ってるんだな、という。
夢は47都道府県制覇
けみー:グッズ以外で言うと、リアルイベントを増やしたいよね。
―――それこそインタビューの直前に開催したファンイベントが大盛況だったと伺っている。
けみー:そう、150人分のチケットが事前で完売、しかも当日落ちで参加できずに帰ってしまった人が10人以上いるという。
―――すごい。150人ってCSでも集まるか怪しいライン。
けみー:ひょっとしたら《熊田すず》プロモ目的の人もいるかもしれないけど、今回のファンイベに関しては動画内で告知を打ってからチケットが急に売れ始めたらしくて、シンプルにイベントを楽しみに来た人が大半だと思う。つまりカジュアル層に寄り添ったイベントってまだまだブルーオーシャンなんだな~と。
―――CSじゃなくてファンイベントっていうのがいいのかもしれない。
けみー:シンプルにYouTube見てる層の大半がカジュアル層というのもある、今DMやってないけどルールはわかるくらいの。そこの需要にマッチしていたんだなぁというのは今思うとそうかも。
けみー:リアルイベントを開催するにあたって、元々47都道府県でCSを開くのが夢だったのよ。
―――夢がデカい。
けみー:でもファンイベントだったらCSじゃなくてもいけるかもな~って。47都道府県でけみくろの名前を使ったファンイベントを開く。大阪は遠くて行けないよ~っていう声とかも拾えるし、地方でデュエマのイベントをあんまりやってない場所があればそこに出張けみくろが行くみたいな。
―――それこそ現地は大盛り上がりだろうなあ。ただ、やっぱり課題は回数を重ねたときにリピーターがどれだけ増えるかという気がする。
けみー:まあその点でもサプライであったり、なんかイベント会場限定のグッズとかで差別化できたらいいよね。
―――会場限定グッズ、めっちゃライブっぽい。
けみー:ライブっぽいっしょ。まあ俺が足を運んでるリアルイベントってせいぜいライブくらいしかないけど、着想の元はそこにあるよね。
あとがき
競技プレイヤーとして名前を聞くことは少なくなったが、デュエマを取り扱うインフルエンサーの最先端として今もひた走るけみー。
これまでの人生で培った自らの感性を武器に、育て上げてきた「けみくろ放送局」を拠点に様々な分野へと活動の裾野を広げようとしている。
夢と語った47都道府県制覇も、今なら夢物語ではないように思えてくる。
そして、これはけみーへのインタビューであり、関西エリア予選に向けての特集記事でもある。
熾烈な店舗予選を勝ち抜いた73名…その中には今回インタビューで名前が挙がったSabakiや◆ちゅーやを始めとした強豪もいれば、けみーといった「執念」で店舗予選を突破した者もいる。
そんな彼らが、関西デュエマの聖地「みやこめっせ」に集う。
彼らの戦いの行く末、そして誰が全国大会への切符を勝ち取るのか……各地のエリア予選含め、今から楽しみで仕方がない。
参考サイト:
【店舗予選優勝】トリーヴァゼニスデッキ紹介
【エリア代表決定戦ベスト4】トリーヴァゼニス【調整録】
デュエル・マスターズ全国大会2024エリア大会東北2位です!
全国大会2016 FINALISTインタビュー:けみー選手
【デュエル・マスターズ】第2回 けみくろCS
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