【デュエプレ雑記】GRAND MASTER決定戦2024、クロロ/山形さんのお手伝いをしました

雑記

はしがき

 イヌ科です。執筆者プロフィールにも書いていますが最近はデュエプレばっかやってます。

 12/15、デュエプレにおける全国大会ともいえるGRAND MASTER決定戦(以下グラマス)が開催され、Borsalinoさんが前人未到の5連覇……という結果に終わりました。冷静にバケモノすぎるだろ。

 実は今回ベスト4で惜しくも敗れてしまったクロロ/山形さんの調整を手伝ってました。
 レジェプレ出てみんなそっちにお熱だろうし、準備段階で考えていたことを記事内でサクッとまとめていきます。

28弾リリース直後のお話

 BA秋、チームメンバーのがちモッフルを応援してたんですが惜しくも決勝でさに丸さんに敗れて調整チーム内からのグラマス出場はならず。無念。
 次回BAはレジェプレでプールが変わることもあり、28弾~レジェプレ発売前まで特に目標のない日々を過ごすことになります。じゃあリトグラフの記事に全力投球するぞ~!

 ……いや、誰かのグラマス手伝わせてくれないかな………?????

 で、トーナメント表を見たらクロロ/山形の文字。
 地域柄直接の絡みはありませんでしたが、紙のDMGPで上位入賞を重ねていたことから昔から存在は認知していました。
 これは余談ですが、僕が【カリヤドネ】で優勝したDMGP9thでも決勝トーナメントのベスト32で対戦した間柄。彼の使用デッキが【カリヤドネ】が唯一当たりたくない【赤白サンマックス】だったので正直心境としては決勝戦よりも大ピンチでした。(ここでも《知識と流転と時空の決断》に命を救われ辛勝)

 ということでデュエプレ選手権も陰ながら応援してたんですけど、そのときは環境読みをバチバチに当てた【ジュヴィラユニバース】で見事グラマスへの切符を獲得。
 順張りでちゃんと勝つプレイヤーというイメージだったのでめちゃくちゃ意外なデッキ選択だったと同時に、紙ジジイが勝って嬉しい!という感情が入り交じる。

 うーん………

 手伝うなら、こいつだ………!!!

 ということで今までほとんど絡みがなかったにも関わらずXでDMを送るバケモンムーブをかましたらなんと快諾をいただくことに。
 話を聞くと今までほぼ1人調整、【ジュヴィラユニバース】も対面練習以外は1人で考えたらしいのでこの人もまたバケモン。

 ということで、第3節に向けた準備と並行してめちゃくちゃデュエプレしてました。リトグラフせんかい!

本番1週間前まで

 とりあえずチームTKGを拠点に色々試してました。

 メポ隊長が投下したリストをテケテケ回してたらこうなった。個人的にはこれに《ポレゴン》をいっぱい入れたリストが宇宙度高くて好き。
 通称GODアジサイと呼ばれるほどに《ズンドコ》《アジサイ》のパッケージがすごいデッキだったので本番に持って行ってもおかしくなかったと思う。チームメンバーのとんちゃんがこれでレート1750超えを果たしていたのでちゃんと強いデッキです。

 《タイタニス》から差し替えた《ホワイトベル》が結構すごい。
 《キリコ》の進化元になりつつ《ゼロフェニ》を簡単に拾えるのが味。

 《シャチホコ》2体がジジイの青春。《ヴォルグ》がないのでロック後は《ドラヴィタ》を覚醒させよう!
 【ブリザード】に何しても勝てないこと以外はまあまあいいデッキだった。

 という感じであんまり何も考えずにデッキを探してましたが、なんとなく【成長バスター】に対して涼しい顔して受けれるデッキがあんまりないんじゃないかな~という予測は立ててました。

サンマ入り成長バスター登場

 本番1週間前ごろ、環境を定義するデッキが登場。

 元々目をつけてた【成長バスター】の中でも一際目を引くリスト。
 3コス《ハムカツ》しか進化元いないのに4投の《サンマッド》強いことあるんだ……と半信半疑でしたが、回してみるとびっくりするくらい強い。《バスター》への依存度を大幅に下げる、5コス革命チェンジと組み合わせてテクニカルな動きができる、《オリジャ》が簡単にケアできる……等々の強さがあった。

 《サンマッド》でそれなりに依存度が下がっているものの、《バスター》を引かないとダメなタイミングがそれなりにあったためホール枠はサーチのほうがいいかな~というところまで思考。
 僕がこういうデッキの《未来設計図》ガチアンチのため、まずは《ジャーベル》を採用してみたところなかなか好感触。
 《ンババ》《ハムカツ》で伸ばしたマナリソースをいい感じに消化できたり3コストの打点なので《サンマッド》のバリューが上がっていて、《バスター》へのアクセス札になりつつ《バスター》への依存度が下がっているなど……。

 だいたいこんな感じのリスト。《ブリキン》は【赤黒バスター】の軽減を焼きつつ、《マップ》《ジャーベル》から拾えるカードとして。
 当日は《ブリキン》の枠を気持ち《プチョ》に抗うための《フェアホ》に差し替えて提出。

 結局グラマス本番までこのデッキに安定して勝てるデッキはかなり限られるよね~という認識を持つ。最悪【成長バスター】ミラーは5割。ただしプレイは在りし日の【黒緑速攻】レベルに難しい。
 ちなみに本番は【キリコ】に0-2。どっちも有利対面だっただけにここは悔しい。

グラマス対策

 バカすぎて本番1週間前くらいにグラマスの詳しいルールを知る。

準々決勝はBest of 3(2本先取)、準決勝と決勝はBest of 5(3本先取)で行います。

各対戦の1本目はNew Divisionで対戦し、2本目以降は直前に敗北したプレイヤーが次の対戦フォーマットを選択します。(New Divisionで登録したデッキはNew Divisionでのみ、All Divisionで登録したデッキはAll Divisionでのみ使用できます)

各対戦の1本目は先攻後攻はランダムで決定され、2本目以降は直前に敗北したプレイヤーが次の試合の先攻となります。

 それまではほんのりND2デッキ、AD2デッキ持ってくればいいのか~と考えてましたが、おそらくこのルールで最も重要なのは2本目以降直前に敗北したプレイヤーが対戦フォーマットの決定権、先攻の権利を同時に持つこと。
 先攻を取ったら嬉しいデッキ+その逆択になるデッキを持っていくのが有効……ということくらいはすぐ思いついたので、他のチームもそういう軸を持ってデッキ選択をするんだろうな、くらいのことは考える。

 その上でトーナメント表を再確認。

 初戦の相手が因縁(?)のさに丸さん、2回戦にトナメランキング1位のLipoさんかGP2冠のデデンネさん。
 このうち2人のバックボーンはBEANS、リンカネという強豪チーム。
 高確率で2戦連続でそれなりに順張りを得意とするプレイヤーを相手にする可能性が高い……。

 これ、人読み可能なのでは?

 決勝戦までいけばさすがに出たとこ勝負にはなりますが、3人くらいの人読みならできそうだということでこの段階でスカウティングにそれなりに思考時間を割くことに。
 1回戦で当たるさに丸さん+似た思考傾向を持つLipoさんを想定してメタゲームを組み立てる。

当時使ってた思考メモ。
後述しますが、デデンネさんに対するスカウティングが不足していたのは明確に失敗だった。

 また、事前予想通りND環境における【成長バスター】が頭一つ抜けて強い、というところまでは共通認識として全員が持つだろうというところまで推測。
 この時点で【成長バスター】に対して強いデッキを持っていくことも確定していました。

逆アポロ爆誕

 そんなこんなでデッキ提出日まで唸っていたら、1週間前から怪しげなデッキを調整していたメポ隊長が爆弾を投下。

 まさに紙デュエマの【逆アポロ】。曰く【キリコ】以外にはやれるらしい。
 実際に画面共有を見たり、自分で回した感触を確かめたところ本当にその通りだった。【青黒ハンデス】にすらそれなりに勝つし、《禁断》を置かれた瞬間ボーナスステージに突入する。

 そしてこのデッキが選択肢に上がった瞬間、雪だるま式に……と言うべきか、次々とパズルのピースが埋まっていく感覚で作戦が組み立てられていきました。

 まず、このデッキは【成長バスター】に恐らく有利がつく。
 そして、この環境をそれなりに回しているなら、グラマスのルールはND1本目に【成長バスター】を持っていくのが安定択。
 さらに深掘りすると、このデッキの真に恐ろしい点は見せるだけで相手の【バスター】選出をさせづらくさせる点。
 ということは【バスター】の裏択になるデッキを引きずり出しやすくなる。そういう【キリコ】のようなデッキは【成長バスター】で後攻でも勝てる……。
 人読みレベルまで進めると、さに丸さんがBEANS所属の優等生タイプのプレイヤー、ということは上記の通りに思考を誘導させられる可能性が高い……。
 Lipoさんに関してもトーナメントランキングで順位を上げたときのノウハウをそのまま持ち込んでくる場合、似たような思考誘導を狙えるのではないか……。
 ひょっとしたら、デデンネさんどころか、決勝戦で当たる逆山の全員にも……。

 準々決勝1本目【逆アポロ】投げで全員の思考をバグらせ、その後決勝戦に至るまでND【成長バスター】を通しやすい土壌を作る。今大会における基本指針が決まりました。
 ピン投が多いため対応力を上げるための《メモリー》を入れて提出。1戦しか選出しませんでしたが、間違いなく今大会における戦略の中核を担うデッキでした。

デッキ提出1日前…ADの救世主

 で、NDの基本戦略が決まるタイミングで同時にADも考えてました……が、チーム内のADの知見が足りてなかったためADラダーを潜ってたゴンブリーに一任。

 この時点で負け先を取ったときはND【成長バスター】を通す作戦が一貫しそうだったので、負け先で【ブリザード】を持ってきそうなさに丸さん、【白単連鎖】を持ってきそうなLipoさんに勝てるデッキ!という注文を出したらすぐ帰ってきました。

 ゴンブリー本人がランクマッチで使用していたものから若干構築を変更。《悠久》を入れることで赤と緑の枠を確保したことで《リュウセイホール》と《オトマ》を両立させたもの。【白単連鎖】に勝つ枠。

 だったはずが、当日クロロさんの機転が働き3回選出され2-1。今回1番出てきたデッキだった。

 上ブレ+《ウィズローザ》ケアの逆択になるトリガーという点で《フォース》はビート視点使われてめちゃくちゃ嫌だった。【ブリザード】に勝つ枠。
 【キリコ】は元々あったものだったけど、【白単連鎖】に関しては注文後1時間くらいでリストが完成してびっくりした。実際準決勝で想定通りの出し方になったので満足。

 ということでデッキが確定。あとは当日までの可処分時間を練習に充ててクロロさんに全てを託して当日へ……。
 当日のレポートはクロロさんが自身のnoteにまとめてくれてるのでそちらをチェック。

【デュエプレ」GRAND MASTER決定戦2024振り返り~平成の怪文書~

感想と反省

 率直に、さに丸さんのND2デッキをビタ当てしたときは超気持ちよかった。
 本当はND2本で取りたいところだったんだけど、3本目のAD【キリコ】選出は自分にはできなかったのでこれもまた声が出た。
 自分たちの事前準備も当事者であるクロロさんの柔軟な発想も生きた上での勝利、というのはなかなか感慨深いものがありました。

 そして、今回の敗因もはっきりしています。ひとえにデデンネさんへのスカウティング不足。
 1戦目NDで成長を投げるまでは確定していたのだけど、デデンネさんのND【キリコ】の受け札の種類が多めに見えていたため、もしかしたら【成長バスター】をそれなりに意識してトリガーを多めにしたのかな?という推測をクロロさんに与えてしまった。(当然ですが、受け札の種類が多いことと枚数が多いことはイコールではありませんし、結果として受け札の枚数自体は一般的な【キリコ】とそこまで変わらなかった)
 その結果2戦目日和ってAD【キリコ】を選択し、まだ見えていない【ブリザード】を通させてしまった。ここは強気にND【成長バスター】を通すべきだったし、クロロさんにも何があってもND【成長バスター】で勝てる、と強く伝えるべきだったと反省しています。

 とはいえ自分が現地に行って同じことができるかと言われたら確実にYESとは言えない。大舞台ってそういう場所なんですよね……。

あとがき

 今回の作戦を考えるにあたって、モデルケースとして大いに参考にしたのがデュエチューブリーグ(以下DTL)後期第2節の各チームの戦略でした。

後期第2節振り返り記事より

 魔王軍のリーダー、dottoさんとは昔から付き合いがあるのですが、時たまこういう風に全てを見通したような勝ち筋を通すことがあります。
 今回の第2節に限らず、負け確の場面で相手のミスを誘導して細い勝ち筋を通してしまう、なんてことは1ヶ月に1回くらいは発生していた印象があります。
 そんな場面を近くで見ていたものだから……まあ、憧れますよね。いつか自分もやってみたくなります。

 さに丸さんやLipoさんのことを「優等生」と称した場面がありましたが、もちろんこのようなプレイヤーとは数多く交流してきましたし、彼らに対するリスペクトももちろんあります。
 さに丸さん本人も動画で語っていましたが、【成長バスター】が頭一つ強いというところまでしっかり辿り着く、というのはチーム内の評価軸がしっかりしている証左。プレイもしっかり詰めてくるであろうことも考えると、正面からやりあったら負けていた可能性が高いです。
 だからこそ今回僕たちはそれを信じて、一見ふざけたデッキを大真面目に持ってこれたわけです。

 何が言いたいかというと……今回のグラマスに向けて僕たちが用意した戦略は、今まで自分が競技に取り組んできた中での憧れに追いつこうと、生み出された集大成ということです。
 そういう点でこの戦略が1回戦だけでもうまく通ったということは、僕のカードゲーム人生の中でも指折りの成功体験として刻まれました。

 とはいえ、結果としては半分成功、半分失敗に終わったので悔しさが残っているのは間違いありません。
 来年こそは自分たちの手でBorsalinoさんを倒したいので、時間を見つけて頑張っていきます。

 また、本サイトDM Lithographでは主にDTLに関する記事を執筆しています。
 本稿を読んでくださっている方はデュエプレオンリーで取り組んでいる方が中心かと思いますが、そういった方々にもぜひDTLを見ていただきたいと考えています。正直カードのテキストはわからなくても大丈夫です。
 なぜなら、この舞台は全てのデュエマプレイヤー…いや、全てのカードゲーマーにとって夢の舞台。DTLが見せてくれるものは別のゲームをやる上でも大いに参考になるはずだし、何より勝利を求めて真剣に取り組んでいる彼らの姿は、シンプルにカッコいい。

 そんなDTLですが、なんとタイムリーなことに後期第3節がこのあと18時から!(ダイマ)
 選手たちの第3節に向けた準備がどのように転がっていくのか……しかと見届けましょう。

この記事を書いた人

DM Lithograph発起人。公式カバレージライター。DMGP9th優勝。第2期認定ジャッジ。最近はデュエプレめっちゃやってる。カス。

「私がめっちゃイヌ科さん好きみたいな印象を持つかもしれませんが、別にそんなことはないんですよ。どちらかというと三振かホームランかみたいなタイプだし、〆切破りの常習犯だったし、色々とむず痒く思うこともあるんですが……。」(神結先生の記事より抜粋)

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